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2010年1月25日月曜日

第70回講演会

日付:2010年2月6日(土)
時間:16:00~18:00
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:「ブルガリアの村びとたちの10年〜社会変化とそれぞれの模索 」 
講師プロフィール:
 松前 もゆる 氏(東京大学大学院総合文化研究科助教)
 福岡県出身。大学院在学中の1994年にブルガリア文部科学省奨学生としてソフィア大学へ留学。1996年から同国中北部のロヴェチ県で調査をはじめ、1997年秋から1999年初頭まで、「ポマク」と呼ばれるブルガリア語を母語とするムスリムとブルガリア正教徒、ロマが共に暮らす村などで集中的にフィールドワークをおこなう。近年は、そうした村々からの、とくに女性たちによる国外への出稼ぎに関心を持っている。共著、論文に、『世界の先住民族 第6巻 ヨーロッパ』(「ポマク」の章を担当、明石書店、2005年)、「ブ ルガリアの『色彩豊かな』村—ポマク女性の装いと暮らし—」『季刊民族学』126号、2008年など。
要旨:
 この20年のブルガリアの統計資料を眺めていると、人口の大幅な減少に気がつくかもしれません。1989年に899万人を数えた人口は、2008年には約760万人になっています。この国でも日本に負けず劣らずの少子化が指摘され、人口は自然減に転じていますが、もちろん、それだけが理由ではないと考えられます。ブルガリア政府の推計によれば、1990年から20年弱の間に、50〜70万人が長期的あるいは短期的に国外へ移住したそうです。
 このような諸外国への出稼ぎの増加は、私が10年以上前から調査を続けている山間の村でも実感できます。1990年代の調査時に私の話し相手になってくれた女性たちが、今、イタリアやギリシアで働いています。今回のお話では、こうした女性たちとその家族をはじめ、村のいくつかの家族(祖父母、両親、そして子どもたち)のこの10年ほどを追いながら、1990年代から2000年代のブルガリア社会を考えてみたいと思います。

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