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2008年12月10日水曜日

フォーラム事務局より

 ヴェトナムのメコンデルタにあるユォン家の建物を撮った写真展が、以下の要領で開かれます。ご関心のある方はぜひ足をお運びください。
長見有方 写真展『ユォン家の館~La Maison』
2009.1.19(月)~24(土)12:00~19:00
巷房koBo/2(東京都千代田区銀座1―9―8 奥野ビルB1F)
http://www.spinn-aker.co.jp/kobo.htm

第59回講演会

日付:2008年12月20日(土)
時間:16:00~18:00
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:バティックから見たインドネシアの歴史的背景
講師:戸津 正勝 氏
プロフィール:戸津正勝 氏(国士舘大学政経学部教授)
 東南アジアにおける国民国家の形成過程」に関する課題について、インドネシアを中心に研究を行っている。具体的には、(1)インドネシアの憲法制度 (2)多民族国家における民主主義制度と国民統合 (3)民族文化と国民統合(4)国民文化の形成過程、などである。インドネシア関係の主な論文にとして以下のものがある。1) インドネシアにおける国語の形成過程 共著、教 養論集50号 2008年 2)バティック、インドネシアの形成過程 『インドネシア更紗のすべて』朝日新聞社 2007年 3)インドネシア、ジョグジャカルタ特別州コタグデの伝統工芸 4)インドネシアにおける民族文化と国民統合 教育論集28号 1988年 5)インドネシア共和国1950年憲法と政党政治 教育論集25号 1987年 他。
要旨:
はじめに アジア地域研究と民族文化
(1)インドネシア共和国とは?(2)ジャワ社会の特徴(2つの世界)
(3)ジャワ・バティックからインドネシア・バティックへ
1.ジャワの宗教と村落共同体
(1)Adat (慣習法)の世界(2)ジャワのカンポンとドゥクン(アニミズム)
(3)バティック・カンポン
2.ヒンドゥー教とジャワ社会
(1)古代ヒンドゥー・ジャワ王国と身分制(2)王宮とプリヤイ文化
(3)バティック・クラトン
3.イスラム教とジャワ社会
(1)アバンガンと庶民(2)サントリと北部海岸地方(3)バティック・イスラム
4.キリスト教とジャワ社会
(1)オランダの植民地支配の特徴(2)2つのタイプのオランダ支配者
(3)バティック・ベランダと北部海岸地方
5.道教(儒教)とジャワ社会
(1)2つのタイプの中国人(プラナカンとトトッ)(2)バティック・チ ナと北部海岸地方
6.日本軍政とジャワ社会
(1)日本人の進出とジャワ社会 (2)バティック・ホーコーカイ(奉公会)
7.インドネシアの独立と国民国家の形成
(1)スカルノとその文化政策 (2)バティック・インドネシア

2008年11月19日水曜日

フォーラム事務局より

 12月講演会の講師、戸津正勝国士舘大学教授が監修された展覧会「インドネシア更紗のすべて」が、大倉集古館で10月18日から12月21日まで開催されております。どうぞお時間のある方は足をお運びください。
詳しい情報は以下のサイトでご覧ください。
http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/shukokan/batik.html

フォーラム事務局より

 11月の講演会では、フランスの都市リヨンに栄えた絹織物業の興亡を、職人と商業のギルドが孕んでいた構造的な対立を軸に描き出していただきました。商業や流通という「資本主義」に着目することで、一都市の産業が世界史の問題として捉えられるというお話は、現代の状況とも響きあってとても啓発的でした。
 次回の講演会は12月20日(土)に予定しております。インドネシアの更紗、バティックについてご講演いただきます。どうぞ奮ってご参加ください。また、講演終了後は忘年会を催しますので、こちらもご参加ください。

事務局より

 小雪の候も間近に迫り、本格的な寒さに向う季節となりました。皆さまには、どうぞ心身ともに暖かくお過ごしください。
 去る11月1日に、当フォーラムの第6回通常総会が開かれました。参加された会員の皆さまからは、今後の「歴史文化交流フォーラム」の活動について貴重なご意見をたまわりました。皆さまのご要望やご批判を真摯に受け止めていっそうの発展に尽くしてまいりますので、今後も叱咤激励のほどよろしくお願い申し上げます。

2008年10月27日月曜日

第58回講演会

日付:2008年1月1日(土)
時間:16:00~18:00
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:リヨンと絹(織物)の世界史
講師:鹿住 大助 氏
プロフィール:鹿住大助 氏(千葉大学大学院社会文化科学研究科博士後期課程、世界史研究所研究員)
新潟県出身。1998年3月に千葉大学文学部史学科を卒業。その後会社員を経て2002年4月千葉大学大学院に入学。現在、同社会文化科学研究科に在籍中。18世紀フランスの歴史を学んでおり、特に18世紀リヨンの絹織物業ギルドを研究している。
要旨:フランス中東部にある都市リヨンは「美食の都」「金融の都」「印刷の都」「ハイテクノロジーの都」など様々な別称で呼ばれている。その歴史は古代ローマ帝国に遡るが、18世紀には絹織物業を中心に繁栄し、ヨーロッパにおける「絹の都」として発展した。しかし、商業的成功の裏ではギルドの商人と職人の格差が拡大し、「働きながら生きるか、闘って死ぬか」という標語を掲げた19世紀の絹織工蜂起が準備されていった。本報告では、同時代のリヨンにおける絹織物業の生産・流通、および社会の変化について注目するとともに、この時代の変化を世界史から考え直すことを試みたい。

フォーラム事務局より

 10月の講演会では、日本人のパラグアイ移住の歴史を、19世紀後半に始まる「移民の世紀」という世界史的な文脈に据えてお話しいただきました。現地日系人社会の様子など珍しい映像も見せていただき、講演終了後には、講演者が編纂されたパラグアイ移民史の本をめぐって活発な質疑応答がもたれました。
 次回講演会は、フランスのリヨンの絹織物職人に関するお話です。奮ってご参加ください。また、講演会の前には第6回年次総会を行います。こちらも、会員皆さまのご参加とご助言をお待ちしております。

2008年10月1日水曜日

第57回講演会

日付:2008年10月11日(土)
時間:16:00~18:00
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:日本人の海外移住140年とパラグアイ移住70年の歴史
講師:広内 俊夫 氏
プロフィール:広内 俊夫氏(歴史文化交流フォーラム会員、会社員)
 大学で物理学を専攻。大手電機会社でコンピュータ開発に携わる傍ら、世界の歴史、地理、文化に興味を持つ。2004年5月退職し、同年7月にJICAの活動に参加。南米パラグアイの移民史編纂に携わる。2007年8月帰国。現在、元の会社からの要請を受け、同社の社史編纂を指導している。
要旨:2006年、日本人のパラグアイ移住70周年を迎えた。南米パラグアイは大国ブラジルの影に隠れ目立たない存在であるが、世界有数の親日国であり、同国には「豊な日系社会」が存在する。2008年はブラジル移民100周年。明治維新とともに始まった日本人の海外移住は今年で140年の歴史を刻む。しかし、その歴史は「排日の歴史」ともいわれ、日本人は排斥を受けながら、ハワイ⇒北米⇒南米⇒満州、そして戦後の南米へと、移住先を変えていった。今回、その140年の歴史を、世界史的視点に立って、南米やパラグアイ側から見てみよう。
 また、最近の動向(海外在留邦人、在日外国人)や、パラグアイ国の「豊かな日本文化」についても、写真とビデオで紹介したい。

2008年9月1日月曜日

第56回講演会

日付:2008年9月6日(土)
時間:16:30~18:30
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:セルビア共和国ピロト市近郊の歴史と現在~2009年<日本文化週間>に向けて(仮題)
講師:木村 真氏
プロフィール:木村 真氏(歴史文化交流フォーラム事務局、日本女子大学)
 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻において、ブルガリア現代史を学ぶ。1989年から1992年ブルガリア国立ソフィア大学留学。現在、日本女子大学や法政大学で教鞭をとる傍ら、歴史文化交流フォ-ラムの事務局を担当している。主要な共著書に『バルカン史』(山川出版社、1998年)、『バルカンを知るための65章』(明石書店、2005年)、『バルカン史と歴史教育』(明石書店、2008年)など。
要旨:1999年のNATO軍による空爆から10年目を迎えるセルビア共和国は、現在親欧米的な政権の下で、EU加盟を目指して法制度や行政の改革が行われている。経済も急成長を遂げているが、同時に環境の破壊、地方の荒廃も進んでいる。来年8月に予定している「日本文化週間」では、ブルガリアとの国境に近いセルビア南東部のピロト市、ならびに地元の環境NGOがカウンターパートに予定されているが、同市とその近郊が直面する課題を地域の歴史や文化にも言及しつつ考えてみたい。今年8月に行われ、講師が参加した「プレ日本文化週間」の様子も紹介する。 

2008年8月20日水曜日

フォーラム事務局より

 炎暑と雷雨とオリンピックの夏も、そろそろ終わりが近づいてまいりました。暦の上ではすでに秋。夏休みをいただいていた当フォーラムも、実り豊かな秋の活動へ向けて再始動いたします。皆さまには、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 7月の講演会では、「イラク後」に再度焦点となりつつあるアフガニスタンとパキスタンの状況についてお話いただきました。アフガニスタンの主要構成民族であるパシュトゥーン人が多く住むパキスタンのFATA(連邦直轄部族地域)が置かれている政治的、宗教的、国際政治的に入り組んだ現状を、19世紀から20世紀にかけて3度にわたって起こった英・アフガン戦争にまで遡って解き明かしていただきました。
 次回講演会のテーマは、旧ユーゴスラビアの政治的中心であったセルビア共和国です。どうぞ奮ってご参加ください。

2008年7月6日日曜日

第55回講演会

日付:2008年7月12日(土)
時間:16:30~18:30
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:英国植民地支配の遺産とアフガニスタンの『反テロ』軍事作戦
講師:清水 学氏
プロフィール:清水 学氏(ユーラシア問題研究家、帝京大学教員)
 アジア経済研究所で南アジア・中東・中央アジア研究に従事、宇都宮大学、一橋大学などを経て現職。現在の関心は金融グローバル化における国際関係・途上国経済の変容。南アジア・中央アジア・中東の現状分析に従事。主要編著『アラブ社会主義の危機と変容』アジア経済研究所(1992年)、『中東新秩序の模索―ソ連崩壊と和平プロセス―』アジア経済研究所(1997年)、『中央アジア―市場化の現段階と課題―』アジア経済研究所(1998年)、『中東政治経済論』国際書院(2003年)など。
要旨:
 今日、米軍のアフガニスタンでの「反テロ」軍事作戦はパキスタンの連邦直轄部族地域(FATA)への直接攻撃の可否を巡り、米・パキスタン・アフガニスタン政府間で軋みを生んでいる。この軋みの原因を英国のインド「辺境地」支配政策の遺産のなかに求め、南アジア・中央アジアが直面している課題に光を当てる。

2008年6月25日水曜日

フォーラム事務局より

 6月の講演会では、第2次世界戦後にシベリアの日本兵捕虜が置かれた状況について、ロシア側の新資料を開示しつつお話しいただきました。スターリン体制化のロシアの特殊事情、日本の大陸における15年戦争とその戦後処理、米ソ冷戦などの要素が絡み合う複雑な状況を、捕虜が施された教育という視点から解きほぐしていただきました。当時の「教育」の場の写真、捕虜の手になる「日本新聞」など、貴重な資料は新鮮な驚きでした。

2008年6月15日日曜日

事務局からのお知らせ

 下記の要領で、ハンガリーのナイーヴ・アートの異才、バラージュの展覧会を催します。皆さま、お誘い合わせのうえ、ご来場ください。

バラージュ・ヤーノシュ展
  *   *  *
アート・スペース“タニャ”オープニング企画


 タニャとは何かと思われるでしょう。それは、ハンガリーの大平原に点在する散居の農家のことを言います。富山県の砺波平野に見られる散居に似た農家の形態です。それは、ハンガリーの大平原の農民のシンボルなのです。
 このアート・スペース“タニャ”は、世界各地の人々のアートを中心に、都会のコンクリートの世界に窒息しそうな人たちに、潤いをもたらそうという趣旨で作られました。コマーシャルな世界とは少し違った原理で運営していきたいと思っています。ねらいは、あまりコマーシャルなアートの世界では扱われないアート、日本ではあまり知られていないアートを、紹介していきたいと思います。いわばサブ・カルチャー的なアートです。

今回は、アート・スペース“タニャ”のオープン企画として、6月20日より7月20日まで、ハンガリーのロマ(ジプシー)画家バラージュ・ヤーノシュBalazs Janosの作品を展示・紹介します。バラージュはすでにヨーロッパでは高い評価を得ている画家ですが、日本ではまったく無名といっていいでしょう。その詳細はDMに譲りますが、ロマの意外性あふれる絵画を味わっていただきたいと思います。
 なお、6月20日午後6時より、オープニング・パーティを開きます。どうぞ起し下さい。

 2008年6月
 アート・スペース“タニャ”

 場 所 渋谷アイビス・ビル地下1階
     渋谷区渋谷2-17-3(〒150-0002)
 制 作 南塚信吾・直子;バーンスキーパール
 連絡先 NANZUKA UNDERGROUND
電 話 03-3400-0075
 メール info@nug.jp

2008年6月1日日曜日

第54回講演会

日付:2008年6月7日(土)
時間:16:00~18:00
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:日本人捕虜が戦後のソ連で受けた教育
講師:小林 昭菜氏
プロフィール:小林 昭菜氏(法政大学大学院)
 長野県出身。2008年3月法政大学大学院人文科学研究科国際文化専攻修士課程修了、現在同大学国際文化研究科の研究生として在籍。修士論文テーマ「第二次世界大戦後のソ連における日本人軍事捕虜―思想教育からの考察―」
要旨:
 第二次世界大戦後、約60万人の関東軍兵士や民間人がソ連各地、モンゴルに移送させられ、強制労働に従事した。日本では、この出来事を「シベリア抑留」と呼ぶ。ロシアではソ連邦崩壊後から政府の公的な史料が公開され、この出来事について様々な事実が明らかにされつつあるが、日本ではまだ十分に紹介されていない。報告では、「シベリア抑留」の概要、そして、ソ連の収容所で日本人捕虜はどのような教育を受けていたのか、日露間の史料からその一部を紹介したい。

2008年5月21日水曜日

事務局からのお願い

 セルビアで今年8月末から9月初めにかけて開かれる予定の「日本文化の日」のために、今年のカレンダー送りたいと考えています。不要なカレンダーをお持ちの方は、恐縮ですが寄付いただけるとありがたいです。7月半ばまで募集しております。よろしくお願い申し上げます。            

フォーラム事務局より

 5月の月例講演会では、入り組んだパレスチナ問題について、1948年のイスラエル国家成立を期に始まるアラブ差別・排除への取組みまで遡り、さらに我々に身近な沖縄・朝鮮半島の同時代の状況に関連付けて分かりやすくお話しいただきました。ナチスの迫害を受けたユダヤ人、そしてユダヤ国家から締め出しを受けたパレスチナ人以外にも、「市民社会」の枠組みからこぼれ落ち、故郷や生命を奪われる「難民」は世界中でまだまだあとを絶ちません。その意味でもたいへん刺激的で、考えさせられるお話でした。
 6月の講演会は、7日の第1土曜日に予定しています。テーマは、第2次世界大戦後の日本兵シベリア抑留問題です。皆さまのご参加をお待ちしております。

2008年5月7日水曜日

第53回講演会

日付:2008年5月17日(土)
時間:16:00~18:00
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:1948年のパレスチナと沖縄・朝鮮半島
講師:藤田 進氏
プロフィール:藤田 進氏(元東京外国語大学教授)
 第二次大戦後パレスチナ難民化局面に焦点を当てて、民衆証言分析と歴史・制度的資料による証言の裏付け補強作業とを組み合わせて「パレスチナ民衆史」の叙述に主に取り組んできた。
 主要著作:『蘇るパレスチナ』(東京大学出版会1989年)、「イスラエル占領体制を挟撃するイスラーム民衆運動の今日」(2007年、日本寄せ場学会 『年報寄せ場』第20号所収)、その他。
要旨:
 第二次世界大戦後平和と民主主義の息吹は、世界が1947年「東西冷戦」開幕と翌年の国連総会での朝鮮半島南北分断・パレスチナ分割の両決議を通じて軍事的抑圧を強めるなか、大きく揺らいでいった。その一事例を紹介するため、1948年の沖縄・朝鮮半島を念頭に置いて、パレスチナ住民に降りかかった平和破壊と難民化の事態を、難民キャンプ住民の証言にたどってみる。

2008年4月23日水曜日

フォーラム事務局からのお知らせ

 つい最近までコートを羽織っていたののに、気がつくと「萍(うきくさ)始めて生ふ」穀雨の季節から「蛙鳴く」立夏へと向かいつつあります。躍動する命が目に、肌に心地よい頃です。若葉のなか、皆さま、どうぞ闊達な日々をお過ごしください。
 前回4月の講演会では、ブルガリア・ロドピ地方の民衆歌謡の世界についてお話いただきました。外国人が入ることのなかった地方に1990年代から何度も通われ、地元民と密接な関係を築きながら歌を採集された講師の寺島先生が、移動する羊飼いの世界に代表されるような、近代国民国家の国境線を越えて広がる、豊かな民衆の習俗、生活観を鮮やかに描いてみせてくださいました。
 次回の講演会は5月17日に予定しています。テーマは、アラブ世界(パレスチナ)です。

2008年3月26日水曜日

第52回講演会

日付:2008年4月5日(土)
時間:16:00~18:00
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:ブルガリア・ロドピ地方の民衆歌謡の世界
講師:寺島憲治氏
プロフィール:寺島 憲治氏(東京外国語大学)
 早稲田大学大学院博士課程在学中にブルガリアに留学(1976-79年)。1989年の社会主義体制崩壊後、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の共同研究員として、それまで外国人研究者には調査の認められていなかったキリスト教徒ブルガリア人、ブルガリア・ムスリム(ポマク)、トルコ人(スンナ、シーア)のともに暮らす地域で多宗教・多言語・多民族の共住の様態を生活レベルに密着して調査。2004年に出版した『ダヴィドコヴォ村民衆歌謡集 (1) テクスト』はその成果の一端である。現在、第2巻目の註釈・解説編の刊行準備中。
要旨:
 ブルガリア南部とギリシア北部に国境線をまたいで伸びているロドピ山脈一帯では、羊飼いたちは、夏には高山の牧草地で、冬には羊を率いてエーゲ海沿岸に下りて草原や休耕地で放牧する移牧の栄えた土地でした。この地域は、また、キリスト教徒ブルガリア人とイスラム教徒ブルガリア人(ポマク)の人びとが、宗教を異にしながらも、生活や労働の場を共にして暮らす地域でもあります。今回は、この地方で時代を超えて受け継がれてきた民衆歌謡を聞きながら、そこから読み取ることのできる彼らの伝統や生活感覚や共住のありかたについて紹介してみたいと思います。

2008年3月19日水曜日

フォーラム事務局より

 春のお彼岸を迎え、日差しの陽気が風の冷たさをやわらげて余りあるような季節になりました。冬の凛と張りつめた冷気も悪くありませんが、自然の蘇生する春は生物としてのわれわれの心を弾ませるものがどこかあるようです(たとえ花粉症に苦しんでいても……)。
 3月の講演会では、長崎の原爆被災とその後の復興過程のお話を伺いました。原爆という世界史的な広がりを持つテーマに、長崎という土地の歴史と文化を踏まえて取り組んだ興味深い内容に、聴衆の皆さまからいろいろな質問が飛び交い、とても充実したひと時でした。

2008年2月18日月曜日

第51回講演会

日付:2008年3月15日(土)
時間:16:00~18:00
場所:渋谷アイビスビル10階
内容:長崎被爆に見る『復興』と被爆者の視点
講師:桐谷多恵子氏
プロフィール:桐谷 多恵子氏(法政大学大学院)
 神奈川県出身。2003年、法政大学国際文化学科国際文化学部卒業。2005年、広島市立大学大学院国際学研究科博士前期課程修了。現在、法政大学大学院国際文化研究科、博士後期課程に在学、2007年4月より、日本学術振興会特別研究員DC2として戦後広島・長崎両市の『復興』と被爆者の視点」のテーマで研究に従事。
要旨:広島と長崎は同じ被爆戦災都市でありながら、広島における「復興」と長崎における「復興」とは異なった面が存在する。報告では、長崎市の「復興」の過程を見ていく中で、長崎が抱えていた歴史的、社会的な背景をもつ地域的な諸問題を浮かび上がらせる。さらに、そこから爆心地の浦上と他地域の被爆者の認識の相違を、米軍による長崎攻撃の背景的過程という与件も踏まえて、報告していく。史料としては、長崎市や長崎県関係の史料、米側の史料、被爆者関係の回顧録、及び面接作業に立脚する。

2008年2月13日水曜日

 技術上の問題から、長らくホームページの更新がとどこおり、会員の皆さまにはご迷惑をおかけしました。謹んでお詫び申し上げます。2月9日(土)の第50回定例講演会は、活字文化と印刷技術の歴史と現況がテーマでした。日本とアメリカを舞台に、長年に渡って本作りに携わってこられた講演者の方から、豊かなご経験と資料をもとに、時間を忘れてしまうような興味深いお話を伺いました。ヴェトナムに派遣されたアメリカ陸軍25師団の広報と、『今日のソ連邦』の編集印刷両方を一時に手がけていたというのは、時代とはいえすごい!
 次回の講演会は、3月15日(土)です。長崎の原爆被災とその後の復興にまつわるお話です。
 

2008年2月8日金曜日

新しいウェブサイトについて

NPO-IFの新しいウェブサイトへようこそ!
今後の講演会のご案内などの情報は、ブログ形式で皆様にお伝えすることとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。

古いページ(http://www.npo-if.jp/)は、過去の情報を掲載しておくために、今後も残しておきますが、更新されませんのでご注意下さい。

それでは、新しいウェブサイトもどうぞごひいきに。

2008年2月3日日曜日

フォーラム事務局より

 記録的な猛暑も過ぎ、風のそよぎや空の色に秋の気配が感じられるようになりました。8月は夏休みをいただいたフォーラムの講演会も、9月から再開いたします。皆さまのご関心に沿えるような講演会を組織してまいりたいと思いますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。また、再来年夏の開催を目標に、海外での日本文化紹介の企画に取り掛かる予定です。こちらも、皆さまのご協力を賜りたく存じます。

第42回講演会

日 付:2007年3月10日(土)
時 間:16:00〜18:00
場 所:渋谷アイビスビル10階
内 容:海を渡った日本人たち〜世紀転換期の日本人移民〜
講 師:澤野理氏
プロフィール:澤野 理氏(神奈川県立高等学校教諭)
 1962年,横浜市中区伊勢佐木町に生まれる。1982年,不惑の南塚助教授(当時)着任にあわせて千葉大学文学部史学科に入学。大学では,合唱団に入団したことが縁でハンガリーの音楽史を研究する。1987年より神奈川県立高等学校の教諭(世界史)となる。現在,JICA横浜連携促進チームにて研修中。
要 旨:明治のはじまりは,近代における日本人移民のはじまりでもあった。彼らは,なぜ祖国を離れて移民したのか。移民先での生活はどのようなものだったのか。彼らにとって祖国との絆とは。戦前における南北アメリカ大陸への移民について概観するとともに、近年、日本に「戻って」きた日系人との共生という問題についても若干の話をできればと考えている。

設立趣旨

 本フォーラムは、グローバリゼーションが進む現在、その意義を失おうとしている世界各地域の歴史的な価値を持つ民衆文化の研究とその交流を促進し、もって文化、芸術の発展と国際交流に寄与することを目的としています。その際、本フォーラムは、世界の発展途上諸地域の民衆文化と我が国の地方の民衆文化に注目し、さらに発展途上諸地域としては東・東南アジアと東欧に対象地域を絞っています。
 本フォーラムは、我が国を含め世界各地域の個性ある土着的民衆文化が多様に花開くような世界が望ましいと考えています。
 本フォーラムは、東欧文化フォーラム(任意団体)を前身としています。東欧文化フォーラムは、 1989年に設立され、2001年まで、日本と東欧諸国の文化交流のためにさまざまな活動を行って参りました。日本と東欧諸国の地方社会の日常的な文化を紹介し、交流させるという東欧文化週間などがあります。 しかし、任意団体としては、種々の寄付を受ける際などに限界があり、改めて特定非営利活動法人として、対象地域を広げて、活動を強化したいという考えに至りました。
 そのため、2002年春から特定非営利活動法人の研究を始め、9月以降集中的に準備を進め、 11月に設立総会の開催にいたったのです。

 本フォーラムは、特定非営利活動法人として以下の事業を行う。
1) 日本と世界の発展途上諸地域の歴史的な民衆文化に関する調査研究
2) 日本と世界の発展途上諸地域の歴史的な民衆文化の交流
3) 日本と世界の発展途上地域に関する出版
4) 日本と世界の発展途上諸地域の歴史的な民衆文化に関する講演会
5) 世界史研究所の運営

会員募集

我がNPOでは会員を募集しております。興味をお持ち頂いた方は是非ご連絡下さい。

【応募資格】
NPO-IFの設立趣旨に賛同してくれる方
☆★☆設立趣旨☆★☆をお読みください。

【会員種類】
・正会員  ・・・ 議決権を持ち、実際に活動を共にする会員です。
・賛助会員・・・ われわれの活動を応援してくれる会員です。

【会員費】
・正会員  ・・・ 年間一口以上(一口3000円)
・賛助会員・・・ 随時一口以上(一口1000円)

【特典】
・東欧・東南アジアの研究家といろんな情報交換ができます。
・世界史研究所を自由にご利用できます。

申込みは >> 申し込みフォーム からお願いします。

その他質問は >> メール(info@@npo-if.jp) にてお問い合わせください。
※迷惑メール対策のため@を二つつなげています。送信の際は一つ削除して下さい。

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特定非営利活動法人 歴史文化交流フォーラム 事務所
〒150-0002
渋谷区渋谷2丁目17番3号渋谷アイビスビル10F
TEL 03-3400-1216 FAX 03-3400-1217
新URL http://npo-if.blogspot.com/
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